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燻製について知ろう!



『燻製について知ろう!(大学祭特設ページ)』をご覧くださりありがとうございます(❁ᴗ͈ˬᴗ͈)

せっかくですので、大学祭らしく燻製についてご紹介したいと思います。

● さまざまな食材保存方法

世の中には、加熱(缶詰など)、発酵(ヨーグルトなど)、塩漬け、砂糖漬けなど、なんらかの原理で食材中の菌を不活性化し、食材の寿命を長くする方法(保存性を高める方法)がたくさんあります。

そして、その保存性を高める方法の一つが『燻製』なのです。

● 燻製の概要

燻製は、燻製チップやキューブ(サクラなどの木材)を燃焼させた時に発生する煙のなかに食材を置いて"燻す(いぶす)"調理方法です。

煙を発生させる場合は、酸素が少ない状態を作り、燻製チップを「炭化(不完全燃焼)」させる事がポイントです。

もし十分に酸素がある状態だと、燻製チップ中のC(炭素)やH(水素)がO(酸素)と結合して、CO2やH2Oへ変換されてしまいます。
こうなってしまうと煙はできません。
→これを完全燃焼と言います。

燻製では、あ・え・て、燻製チップを不完全燃焼させるのです。

O(酸素)の供給が少ない状態を作る事で、チップ中のC(炭素)やH(水素)は、O (酸素)への結合の行き場をなくします。そうすると、CやHは、そのままもしくは化合物として空気中に放出され、煙が発生するわけです(Cの微粒子が煙として見える)!

● 燻製の分類

燻製は、「温度」や「時間」の違いによって、3つの方法に分類することができます。

燻製方法 温度 時間 特徴
熱燻法 90℃〜140℃ 10分〜1時間
  • 短時間でらくちん
  • 短時間燻製の為、食材中の水分はあまり抜けず、食材本来の味に近いが、保存性はほぼない
  • 鶏肉などきちんと加熱させたい食材の場合はこの方法が良い
温燻法 30℃〜80℃ 2時間〜5時間
  • 熱燻法と冷燻法の中間
冷燻法 15℃〜30℃ 数時間〜1日
  • 長時間燻製する分、食材中の水分量が大きく減少するので長期間保存可能になる
  • 低温燻製のため、熱による食材の味やテクスチャーの変失を避けることができる
  • サーモン、鯛、生ハムなどはこの方法が良い


今回の北大祭では、提供時間の速さや衛生基準を考慮して『熱燻法』を採択しました!

そして..
この『熱燻法』
なんと...家で簡単にできちゃいます!!

● 家庭で燻製してみよう!

燻製に必要なものは、コンロと食材さえあれば、あとは全て100円均一で揃います。

この時代、100円均一に"燻製チップ"まで売られているので驚きです!

まずは以下のものを揃えましょう!

  • 金属ボウル×2コ
  • BBQ用アミ
  • 燻製チップ
  • アルミホイル
  • *その他、軍手とトングが必要です


必要なものが揃ったら実際に燻製してみましょう。

〜燻製工程〜
  1. 下図のようにセットします
  2. 煙が出るまで強火にします(すぐに煙が出てきます)
  3. 煙が出てきたら弱火にして10分〜1時間燻します



いかがでしたか?
めちゃめちゃ簡単ですよね!!
是非挑戦してみください!


ここで断っておくことがあります。
*カセットコンロなどを使って、家の外で燻製をすることをお勧めします。本サイトの中の人は、家の中で燻製して、かれこれ1ヶ月匂い取れてません。燻製の匂いが染み付いた布団で寝る次第です( ;ㅿ; )
*燻製する際は、全て自己責任でお願いいたします。特に、燻製キューブは、見た目は火が消えていても、内部が燻っていることがありますので、使い終わった燻製チップやキューブは、水に浸すなどすると良いかもしれません。
*燻製する際は、風通しの良い(換気がしっかりされている)ところで行ってください。燻製は不完全燃焼のため、CO(一酸化炭素)や微量のホルムアルデヒドが発生し、 一酸化炭素中毒やシックハウス様症状になる恐れがあります。


● 燻製の原理

冒頭に触れたように、燻製には、食材の保存性を高めるという効果があったのでした。

ということで、「燻製はどのような原理で食材の保存性を高めるのか」について説明していきます。

燻製は以下の3つの要素により食材の保存性を高めます。

  • 煙の成分には、カルボニル化合物やフェノール系化合物、有機酸などが含まれ、それらによる殺菌作用によって殺菌される
  • →フェノール類(クレゾールなど)は消毒液としても使われていますね!

  • カルボニル化合物やフェノール系化合物が食材にペタペタとくっつき、表面をコーティングすることにより外部からの菌や水分の侵入を遮断する
  • →フェノールは食材のタンパク質とくっつき、食材表面を不溶性の膜(樹脂)で覆います

  • 長時間の加熱によって食材の水分量が低下し、水分を必要とする菌が繁殖できなくなる


保存性をさらに高めるために、燻製前に食材を食塩に漬けて浸透圧により食材の水分を抜いておくこともあります。

● 最後に

いかがでしたか?

燻製は、昔の人が食材を長期間保存しようとして試行錯誤した賜物です。

燻製以外にも、冒頭に触れたようにさまざまな食材の保存性を高める方法があります。

今後、発酵(ヨーグルト)などの長期保存食品について触れていければと思っております。しばしお待ちください。
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